「いかに脱水、熱中症を回避するか」湯山幸寛 6/8

-----トライアスロンのロングディスタンスのマル秘テクニックとかありますか?

 

スイムは嫌いなんで、教えられることはありません(笑) 強いて言うなら、ロングはペースを上げ過ぎないことです。3.8kmの最後も緩めます、次のバイクがありますから。

 

バイクは、最初の50-70kmはスピードを上げないようにします。ガンガン漕がない。体が動いてきたら少しづつ上げていくようにします。そして最後の30km(ラスト1時間)もまたスピードを落とします。水分補給、栄養補給をして次のランに向けて調整します。そうするとランに調子良く入れます。

 

ランも始めはペースを上げないことです。僕の場合、キロ5分よりも速くなっちゃうことがある、そしたらあえて落とします。後でひどい目に合うの分かってますから。基本はどんなに調子良くてもキロ5分30秒、今日はダメだなと思ったらキロ6分で行きます。とにかく、前半飛ばし過ぎないことです、頑張るなら30kmからですね。

 

脱水が起きてたら、とにかく無理をしない

 

ロングにおいて、どうしたら脱水、熱中症を回避できるのか?それができるようになるまで、私はものすごく苦労しました。本を読んだり、人に色々聞いたりしましたが、結局、自分の体質、その日の体調によって、対処の仕方は変わります。トレーニングの時からそれを試行錯誤して、やっと自分なりの対処方法が確立できました。

 

日本は水温28度でもウェットを着させるので、スイムから脱水が起きている場合もあります。その時は、バイクの最初から水分と塩分を取って行かないと手遅れになります。もし手遅れになったら、もうスピードを落とすしかありません。

 

一度、佐渡のスイムで脱水になって、バイクでスピードが出ずどんどん抜かれ、もうダメかなと思いながら、我慢しながら水分と塩分を補給し続けて5時間後、ようやくパワーが戻りました。スイムで脱水を起こすと戻るのに5時間かかるってことが分かりました。ランは元気になってごぼう抜きしました(笑)

 

脱水を起こしたら全てが台無しになります。どうしたら脱水にならないか、ロングのレースはそれを研究することに尽きます。若い人はそこで失敗してる人が多いと思います。

 

-----具体的にはどのような対策をするのですか?

 

水分は15分に一度、1時間に500ml

 

バイクにおいては、原則、水分は15分に一度、1時間で500ml 1本を摂取するようにしてます。雨の時は180kmで500ml 1本で終わったこともあるので、天候や体調にもよりますね。炎熱サプリは1時間に一つ取ります。

 

補給食は、私は固形物を胃が受け付けないので、カーボショッツ10個を500ml ボトルに入れ、ポカリスエットで吸出し安くするよう薄めて用意してます。この1本を180キロで飲み切ります。

 

ランはいろんな味のカーボショッツを10キロ毎に補給し、最後は35キロでも摂ります。ランでも炎熱サプリは10キロ毎に摂ります。これで足の痙攣は抑えられますよ。

 

15分に一度、1時間で500ml の水分補給 ぜひ試してみてください!